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【Kindleあり】ビール片手に僕はこんな本を読んだ
¥800
SOLD OUT
在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。本作は文量が非常に多かったのでKindleにアップする際、上下巻に分けました。→ https://amzn.to/3PKJhQK クラフトビールというものは単に麦芽発酵飲料を指すのではなく、作り手、飲み手の相互コミュニケーションであり、社会の中に生まれる現象です。その意味でクラフトビールは社会的で社交に関する飲み物だと言うことも出来るはずですから、私はクラフトビールは人文社会学の対象だと考えています。ビールは飲むものでありながら、読むものであり、記述するものでもあると思うのです。 ビールを主題とした本を読むことで分かるビールのことはたくさんあります。それには今も高い価値がありますが、ビールが物理的に何であるかを超えてその周縁との関係や受容のされ方、時代的な意義づけなどを意識して著された本は決して多くないように思います。ですから、他の主題であっても、それがビールと何らかの共通点があって読み替えることが出来るならば、積極的に読み替えて考えてみようと私は考えています。エッセイや小説、学術書でもそれは可能です。もっと言えば、参考になるテクストとして音楽、映画、絵画など時間芸術、空間芸術にも拡張して良いはずです。今回、そこまで出来ませんでしたが、いつか挑戦してみたいと思います。取り急ぎ本書ではクラフトビールなるものを考えるにあたってこれまでに読んできた本を幾つかご紹介したいと思います。 この「ビール片手に僕はこんな本を読んだ」という企画は私個人のものとすることなく、外側に開いたものにしようと思っています。ビールを飲み、本を読み、考える。その結果生まれた言葉が誰かに届き、その誰かがビールを飲むこと、本を読むこと、そして考えることについて何かしらの良い影響をを与えるならば嬉しいです。そのループを生む為にはこの本は私個人に閉じることなく、広く寄稿を受け付けるプラットフォームとして機能させ、狭いながらも熱量ある飲み手コミュニティを媒介するものとなってくれることを願っています。 別途私どもの各種SNSアカウントでもご案内申し上げますが、寄稿してくださる方を広く募集します。クラフトビールには様々な側面があるのと同様に、飲み手である人間にも様々な側面があります。同じものを対象にしても各人の意見、感想は異なり、その中に見られる同一性や差異によって表現されるものがあると思うのです。それを対外的に発信する場が確保されていることは大事であり、紙という媒体でアーカイブしておくということはこれからの時代、案外重要なことだと思います。私に出来ることは少ないけれども、ゼロではないと信じて飲んで、読んで考え、そして書き続けていこうと思うのでした。 最後になりますが、私が主催する読書会の仲間である小唄氏が1本寄稿してくださいました。心より感謝申し上げます。 目次 はじめに ビールと本の関係 1 ビールについての本 2 1.Michael Jackson “Beer Companion”(日本語版) 2 2.Brewers Association “Draught Beer Quality Manual” 4 3.ビール酒造組合 “ビールの基本技術” 6 4.杉村啓 「白熱ビール教室」 8 5.BJCP “Beer Judge Certification Program Style Guidelines”序文 10 6.山本高之 「ベルギービール解体新書」 12 7.山口厳雄、矢野竜広 「石見式スモールビジネス論」 14 8.一般社団法人日本ビール文化研究会 「日本ビール検定公式テキスト」 16 読んでビールのことを考えた本 18 1.エドワード・レルフ 「場所の現象学」 18 2.岡本太郎 「今日の芸術」 20 3.大塚英志 「定本 物語消費論」 22 4.稲垣貴彦 「ジャパニーズウイスキー入門」 24 5.小唄氏による特別寄稿 稲垣貴彦 「ジャパニーズウイスキー入門」 26 2024年12月30日 C105で初版発表
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【在庫あり】クラフトビール文献読書会2024年6〜8月 第2号
¥1,300
CRAFT DRINKSが主催するクラフトビール文献読書会ではクラフトビールにまつわる様々な事象を文献を読みながら議論し、理解を深めていこうとする集まりです。 見られているという感覚があると本音で話せないし、見られているせいで建前、ポジショントークになっては意味がないので完全オフラインで開催しております。遠方にお住まいで参加出来ない方にも有益な議論については知って頂きたいので活動報告誌を作りました。 発足に関する文章に加えて、時間の都合で議論出来なかった論点などを補論として追加しています。B5で60ページ、5万字強。 目次 第3回第1部「クラフトビール、始めないともったいない、の?」 2 第3回第2部「国内クラフトビール業界が抱えるジレンマ」 5 1.第2部で取り上げた文章とその主張 5 2.問題のポイント 5 3.本当にこれで解決するのか 6 4.クラフトビールはどこで売られているか 7 5.価格帯と売り場 8 6.お店で買う際のメンタリティ 9 第3回第3部「地ビールの現況と展望」 11 1.課題図書選定の意図 11 2.論文から読み取れる事実・意見 11 3.ここ10年の出来事のまとめ 11 4.考察 14 第4回第1部「ビール、自由、公共性について」 15 1.日本はお酒に寛容 15 2.外国の事例 MUP 16 3.ミルの自由論と愚行権 17 4.プラスの側面について 18 5.コミュニティの形態 19 6.【コミュニティ】の原因とその克服 20 7.コミュニティを再考する 21 8.最後に 私からの提案 22 第4回第2部 “Prohibition was fantastic for American beer, or, cheers to homebrewers” 24 1.課題図書選定の意図 24 2.禁酒法以降の大きな流れ 24 3.カタカナのクラフトビールに付随するイメージの原形 25 4.資料の続きを考える 26 5.日本とアメリカを比較する意味はあるのか? 26 6.日本のブルワリーはどんな人が立ち上げているのか 27 補論 サンディエゴブルーイングカンパニーを例に 28 第4回第3部「東京大都市圏におけるクラフトビールイベントの展開と若者観光」 30 1.課題図書選定の意図 30 2.今まで参加してみて良かったイベント 30 3.行きたい/行きたくないイベント・イベント経験 30 4.理想のクラフトビールイベント 31 5.都市型フードツーリズムとしてのビール祭り 31 6.真正性 32 7.理想とするビール祭りの一案 34 8.社交場としての機能とその阻害要因 35 9.既知・未知の割合、ビール祭りでの液量と金額、満足度 35 10.ハレとケ、日常への接続に関する問題 37 第5回第1部 ビブリオバトル 39 1.Aさん 再現! 古代ビールの考古学: 化学×考古学×現代クラフトビールが醸しだす世界古代ビールを辿る旅 39 2.Bさん ビア検公式テキスト 40 3.Cさん ばっかつ!~麦酒喝采~ 41 4.Dさん ベルギービール解体新書 42 第5回第2部 Beer Studies “The reversal of historical perspectives about beer” & “The craft brewery revolution began in Europe” 44 1.課題図書選定の意図 44 2.The craft brewery revolution began in Europe 要旨 45 3.クラフトビールのはじまり 45 4.The reversal of historical perspectives about beer 要旨 46 5.内面化されているもの 46 6.前提を改めて疑う 47 7.アメリカという文化帝国主義とナショナリズム 48 8.日本のナショナルアイデンティティを考える 49 第5回第3部「ビールのあり方を考える Ronald Mengerink氏の言葉」 51 1.課題図書選定の意図 51 2.論じられている問題点 51 3.原因と解決法 ブルワリー・パブ・消費者 52 4.原因と解決法 スコア 53 5.原因と解決法 データドリブンVS質的評価 53 6.原因と解決法 OEM 53 7.製造・販売の一貫性、真正性について 54 8.飲む頻度と限定品の価値 54 2024年11月3日 おもしろ同人誌バザール@神保町にて初版発行
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【在庫あり・販売中】クラフトビール文献読書会2024年4・5月 発足記念号
¥1,300
CRAFT DRINKSが主催するクラフトビール文献読書会ではクラフトビールにまつわる様々な事象を文献を読みながら議論し、理解を深めていこうとする集まりです。 見られているという感覚があると本音で話せないし、見られているせいで建前、ポジショントークになっては意味がないので完全オフラインで開催しております。遠方にお住まいで参加出来ない方にも有益な議論については知って頂きたいので活動報告誌を作りました。 発足に関する文章に加えて、時間の都合で議論出来なかった論点などを補論として追加しています。B5で40ページ、38000字。 目 次 はじめに クラフトビール文献読書会発足の経緯と意図 1 美味しく楽しく飲むために 1 ものが言いにくい世界 1 閉鎖空間の良さ 2 オンラインではなくオフライン 2 会の形式 3 無料にする理由 4 まずは一年 4 第1回 4月21日 「クラフトビールとは何か?」 5 1.テーマ選定と意図 5 2.取り上げた文章 6 3.結果①「私の考えるクラフトビール」 9 4.結果②「世間の考えるクラフトビール」 10 5.グループディスカッション 11 6.主催者による補足 主体性について 13 7.補論 『ローカル原料』という、モノではなく情報について 13 第2回 5月11日 「ビアスタイルの記述形式と認識」 17 1.テーマ選定と意図 17 2.論点と取り上げた文章 17 3.結果 ビアスタイルと言われるものは… 22 4.考察① 形式の違いから見えてくること 22 5.論点 『ビアスタイルの記述は十全なのか?』について 24 6.考察② ビアスタイルの裏側、虚構の世界 24 7.考察③ 現実的な運用 26 8.考察④ 要素還元的なビール、情報を飲むということ 27 9.考察⑤ ビアスタイルによるスタンプラリー化 29 10.考察⑥ サンフランソーキョーの出現と場所の喪失 30 11.補論 今いる場所とここまでの距離を考えた 31 2024年5月19日 文学フリマ東京にて初版発行
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【在庫あり・販売中】サシノミ2
¥1,500
今回の対談は… 英国ビール消費者団体会員に聞くビール文化とパブ、場の意義 CAMRA終身会員 目賀田修一さん カメラを通して見つめてきたクラフトビールシーンの10年間 Brewfilm.jp 映像作家 奥村剛さん サシノミとは・・・ 私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。 様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。 眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。 私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。 クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。 海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。 本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。 クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。 目次 はじめに サシノミとは 3 CAMRA終身会員 目賀田修一さん 6 CAMRAとは 6 Real AleおよびCask Conditioned Beerとは 6 CAMRAの実態 7 消費者団体としてのCAMRA 10 イギリスの飲酒文化 12 今パブにあるお酒 15 イメージと生々しい現実 17 気づけばイギリスビールを見かけなくなった 19 パブの使い方、過ごし方 22 社交場としてのパブ 23 日本のパブ、コミュニティと場 26 熱量、語るということ 27 通いたくなるパブ 29 Brewfilm.jp 奥村剛さん 32 クラフトビールを飲み始めた頃 32 映像で振り返る10年 34 ここ10年の非アメリカのビール事情 40 マーケットと認識の変遷 43 IPAを考える 46 ホップの認知 48 トレンドと値段 50 クラフトビールシーンは盛り上がっているのか 53 変わらないこと、変わったこと 55 シーンの裏側、紆余曲折 57 時代を作ったブルワリー60 あとがき 62 2024年3月23日 めしけっとにて初版発行
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【在庫あり・販売中】サシノミ
¥1,500
今回の対談は… 元祖ファントムブルワリー・ガージェリーの過去・現在・未来と題してビアスタイル21の代表取締役社長の別所さん けやきひろばビール祭りが日本で最も有名になるまでの軌跡と題して総責任者の鈴木さん、中村さん サシノミとは・・・ 私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。 様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。 眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。 私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。 クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。 海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。 本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。 クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。 目次 目次 はじめに サシノミとは 4 ビアスタイル21 代表取締役社長 別所弘章さん 7 00年代のシーン、ガージェリーの誕生 7 ビジネスモデルの構築 12 品質にコミットする 13 エチゴビールへの売却 14 飲食店専用にした理由と価格、時代の空気 17 直販と慣習、しがらみ 18 取引の形態 20 展示会には出ない理由 22 地ビールからクラフトビールに変わる頃 25 ブランドの存続、後継者 26 コロナ禍での経営 29 リブランドの必要性と家庭用缶ビール 31 ブランドを育てる大変さ 33 語りの余白 35 神は細部に宿る 38 クレームがほぼ無い理由と距離感 41 けやきひろばビール祭り責任者 鈴木一紀さん、中村薫子さん 47 けやきひろばビール祭りの歴史と成長 47 快適さと地元との関係 51 けやきひろばが大事にしていること 54 出店ブルワリーの選定と多様性について 56 ビール祭りに来てもらうためにしている事 59 ビール以外のお酒 62 すぐに諦めない、常に試行錯誤 64 ビール祭りの持続可能性、時代の流れ 66 コロナ禍という特殊期間 69 実は少ない運営者 70 けやきひろばに来る人 71 定点観測して見えてきたこと 73 これからのけやきひろばビール祭り 74 続けるということ 76 あとがき 79 2023年12月31日 コミックマーケット103にて初版発行
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【Kindleあり】クラフトビールの今とこれからを真面目に考える本 改
¥2,500
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在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。本作は文量が非常に多かったのでKindleにアップする際、上下巻に分けました。→ 上巻 https://amzn.to/4d4ge3B 下巻 https://amzn.to/3B1W8tD 2018年、2019年に東京・政策研究大学院大学にて行った特別講義の内容に追記、改変してまとめたクラフトビール文化論。主なテーマは「クラフトビールにおける日米比較」で、大きく4つの章に分かれています。第一章ではクラフトビールにおける日本と海外の制度の違いを比較し、「今までどうだったか」、そして「定義の有無で生じる差」を確認します。これに伴い、クラフトビールという現象を情緒的クラフトビールと統計的クラフトビールの2つに分け、厳密に区別することを提言しています。第二章ではアメリカのクラフトビールの成長を自家醸造(ホームブルー)とコミュニティ、コミュニケーションという3つの視点で論じます。日本では違法である自家醸造がクラフトビール産業の基礎になっていることを示し、その上にコミュニティが存在します。そして、コミュニティとの対話、すなわちコミュニケーションとしての販売方法の在り方について考えていきます。第三章は日本のクラフトビールシーンにおける課題について具体的に見ていきます。アメリカを範とするならば、日本の法制度や社会システムはクラフトビールに即したものになっていません。情報、ハードウェア、物流、店舗、ビールに関する既存の文化などについて一つずつ考察します。海外の事例などもご紹介し、それらと比較しながら日本における課題をあぶり出していきます。第四章はCRAFT DRINKSが今まで行ってきた活動の総括です。机上の空論ではなく、私どもは「クラフトビールはクロスオーバーだ」をキーワードに、ビールのみならずシードルやワイン、日本酒、そして木樽熟成ビールのプロデュースなどの具体的な活動を続けて参りました。それぞれがどのような意味のものであったかを解説し、微々たるものではありますがクラフトビールシーンに対して私どもが行ってきた貢献についてご紹介します。 ・・・と4年前に書いたのですが、クラフトビールシーンは変化、進化が早く、すでに遅れたものになっている内容もたくさんあります。そのため、更に大幅な加筆修正を加えてバージョンアップをしたいと思います。絵心も無く、写真も少なく、文字ばかり13万字のものになりますが、お目通し頂ければ幸いです。 2023年9月8日発表
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【Kindleあり】お金で買えるビール 買えないビール
¥1,100
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在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3INAJFi クラフトビール発祥の国アメリカでは50州全てホームブルー(自家醸造)が合法で、数万人の会員を擁するホームブルワーの団体もあります。元ホームブルワーのプロ醸造家も多く、クラフトビールシーンの基礎を成していると言っても過言ではありません。一方、日本においては酒税法に定められている通り、免許無くアルコール度数1%以上のものを作ることは違法です。この違いは非常に大きな差を生むと私は考えています。そのビールの性質は商品と作品、消費と鑑賞という違いで説明できる面も多いでしょう。今回こういった点について考えてみたのでした 目 次 はじめに 1 第1章 日本の制度とイメージ 2 1.日本におけるホームブルー 2 2.一般的なイメージを作った大手のビールと品質レベル 3 3.微生物検査の結果と免許要件 4 4.免許の更新制度 5 5.プロ養成という視点で考えてみる 7 6.日本には商品だけが存在する 8 第2章 商品ではないビール 9 1.ホームブルーという行為とクラフトビール 9 2.ホームブルワーとは 10 3.単なる消費者ではない 10 4.商品ではないビールが存在するということ 12 5.金銭を介すと無くなりがちなもの 13 第3章 商品と作品、それに付随するもの 15 1.アマチュアによる一次創作、二次創作のない世界はどこに行くのか 15 2.私達は真面目に飲みすぎているかもしれない 16 3.日本における作り手と飲み手のコミュニティ 16 4.リアルでクローズドな会をしよう 17 おわりに 私自身の実践について 18 2023年8月13日 C102にて初版発行
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【在庫あり・販売中】クラフトビールの諸相 クラフトビールを起点とした人と社会に関する論考集
¥2,300
「クラフトビールの諸相」はセルフアンソロジーと言えば良いでしょうか、これまでの4年弱を私なりに総括するものです。私の持つ問題意識や関心の方向性が強く反映されてはいるのですが、とりあえずこの一冊を読むと今のクラフトビールシーンが持つ幾つかの側面についてイメージを持って頂けるのではないかと思います。 クラフトビールは液体として独立して存在するモノというよりも、コミュニティと相互補完的に成立する動的な現象として様々な切り口で切り取って記述されるべきものであろうということです。そして、それは感性、感情など精神の働きを多分に含むものであるから、数値だけではなく言葉によって描き出されるものに違いありません。 作り手、飲み手各人の想いも様々です。一様でないからこそ多くの考え方が出来ます。ビールそれ自体を考えるだけでなく、その思考がどういうものなのか、何に由来するものなのかを考える事ができるでしょう。ビールも人も時代と共に変化していくのでそれについて思いを巡らすことに終わりはありません。 この場合、終わりが来ないことは辛いことではなく楽しいことです。私がCRAFT DRINKSを立ち上げて7年以上経ちますが、一度も飽きたことはありません。日々新しいものが生まれて刺激に溢れていますからむしろ楽しさは増しているとすら思います。 考えることは楽しく、書くことは苦しいのだけれども、イベントに出るからには書きたい。そういう思いから、自分自身に勝手に課していることなのですが、突発的に決まったものは除いてイベントに参加する際は出来る限り新刊を用意するようにしています。つい今しがた数えて判明したのですが、この4年の間に14冊出していました。時系列順に並べるとこうなります。 2019.8 コミックマーケット96 クラフトビールの今とこれからを真面目に考える本 2019.12 コミックマーケット97 文脈とビール 2020.2 文学フリマ東京 アメリカのクラフトビールをダイバーシティという視点で読む 2020.12 コミックマーケット99 ビールとまなざし 2021.5 COMIC1 ビールのスタイルと多様性、感性と言葉 2021.6 COMITIA136 クラフトビールと地ビール、流通と地域について 2021.9 COMITIA137 クラフトビールを仕事にしたいと思った時の業界俯瞰図 2021.11 おもしろ同人誌バザール Hard Seltzer And Japan 2021.11 COMITIA138 クラフトビールのマーケットシェア1%は本当か? 2022.2 COMITIA139 ビール屋から見た日本のシードルの風景について 2022.5 COMITIA140 飲んでいないクラフトビールについて堂々と語る方法 2022.8 コミックマーケット100 Beyond Beer クラフトビールのこれからを考えるヒント 2022.9 COMTIA141文脈とビール2 2022.11 おもしろ同人誌バザール@神保町 クラフトビール プロレス化論 テーマは多岐に渡り、様々な角度からお酒を通じて人と社会について論じてきました。コロナ禍もあって人とお酒の関わり方、そして社会の有り様も変化してきたように思いますから15作目の本書ではこれまで私が考えてきたことをまとめ、現段階で言えるクラフトビールの持つ幾つかの側面について過去作を下敷きに論じ直し、人と社会について改めて検討してみました。 ベースはあるにせよ、最終的に9万字強、本文80ページほどになりました。目次からして大盛りなのですが、こんな感じです。ご覧くださいませ。 目 次 はじめに 終わらないクラフトビール 1.本を作り始めたきっかけ 2.終わらないということ 3.一旦これまでをまとめてみようと思う 第1章 「クラフトビールとは?」という問いを立てること 1.定義する目的 2.様々な立場から考えるクラフトビール 3.クロスオーバーなクラフトビールと境界線 4.数値と感情の狭間 5.対概念を使って考えてみる 第2章 対概念1 大手ではなく、中小企業 1.アメリカにおける定義とその変遷 2.流通システムと近年の傾向 3.大手が嫌われる理由 4.スタートアップが最初にすること 5.資本主義的合理性と成長の限界 6.業界団体による改善の必要性 第3章 対概念2 全国展開ではなく、地元志向 1.地元という概念と地元志向の必然 2.顔が見えるということ 3.コロナ禍とクラフトビールの場、確かさについて 4.私とビールのある場との距離、時間について 5.クラフトビールは観光の目玉になるか 第4章 対概念3 古くて工業的ではなく、新しくて職人的 1.工業的ではないビールを考えてみる 2.日本におけるクラフトビールという概念の大きな要素 3.ビール産業のビジネスモデルとその難しさ、人材について 4.人材育成とホームブルー、技術について 5.記憶と再解釈、新しさについて 第5章 対概念4 単一ではなく、多様 1.実は大手は単一ではない 2.ビアスタイルの多さはクラフトビールの多様性を示すのか 3.ビールの多様性とは言葉、感性、人の多様性 4.コミュニティとマイノリティ、特にジェンダー、エスニシティについて 5.ジャンル横断とビヨンドビール、総合飲料メーカーへ変化するブルワリー 第6章 これから検討すべき課題に関する断片 1.1994年からの歴史を総括すること 2.日本らしさについて 3.形式と内容、個の主体性とコミュニティについて おわりに 2022年12月31日 C101 コミックマーケットにて初版発行
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【Kindleあり】クラフトビールの本音と建前、その次のこと 〜クラフトビール プロレス化論〜
¥1,300
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在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。その際、改題しておりますこと、あらかじめご了承ください。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/47n70y5 長くコロナ禍が続く中、「クラフトビール文化を守ろう」という言説が現れました。文化というものが何なのかよく分からない上に、クラフトビール文化と言った場合それは何を指すのだろう?とずっと考えていました。これが本書「クラフトビール プロレス化論」を書こうと思ったきっかけです。 数量ベースで全体の13%までの成長したアメリカを成功事例とした時、その特徴から何か得られるものがあるのではないかと検討してみた結果、日本のものと明確に異なると思われる部分がありました。その違いというのがクラフトビール普及に少なからず影響しているように私には思われます。 人気だとは言うけれども、日本のクラフトビールはいまいちブレイクしきらないように感じられます。このままではいけないとうすうす感じてはいるけれども、思うように進められずにいるという状況でしょう。かといって、諸条件が異なるのでアメリカの事例をそのまま持ち込むことも出来ません。そこで諸々踏まえた上で私はその構造をプロレス化して現状を打破するという折衷案を提案したいと思います。プロレスの構造はかなり参考になりますし、その手法は援用可能なのではないかと思うのです。 この結論に対して賛否両論あるかと思いますが、それ自体が私の求めるところです。本書を読んでくださった方からのツッコミを本当に待っているのです。その上手に揉める姿そのものがクラフトビールの魅力を高めると信じています。そして、ツッコんでくださった方がそれぞれの地元で語り部として、実況者として、シーンを盛り上げて頂けたらと心から願います。 目 次 第1章 「クラフトビール文化」とは何だろう 1 1.疑問の始まり 1 2.文化に関する一般的なイメージ 2 3.先行事例との比較してみる 3 第2章 アメリカに見られる一つの特徴 4 1.カウンターカルチャーとしてのクラフトビール 4 2.Brewers Associationによる定義の意味 5 3.Stone Brewingの事例 5 4.ファンの反応とクラフトビールのあるべき姿 7 5.なぜ大手は目の敵にされるのか 9 6.カウンターカルチャーとヒロイズム 10 第3章 日本の場合 12 1.地ビール誕生の頃 12 2.地ビール時代の液種 13 3.2010年代以降のクラフトビール 13 4.「これぞクラフトビール」に対する反応について 14 5.タップマルシェおよびホームタップの品揃え 15 6.対立ではなく並列 16 第4章 ヒロイズムの終焉 17 1.アメリカでの出来事 サッポロによるStone Brewingの買収 17 2.日本での出来事 Brewdogの実情とアサヒビールとの提携 18 3.本音と建前 19 第5章 クラフトビール普及の為の試論 22 1.日本クラフトビール業界団体連絡協議会の発言 22 2.波を立てる 24 3.安易な否定ではなく、イシューを立てる 24 4.上手に揉める必要性 25 5.日本のクラフトビールに必要なのはプロレス 26 6.プロレスを盛り上げる役割とファンコミュニティについて 27 2022年11月6日 おもしろ同人誌バザール@神保町にて初版発行
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【Kindleあり】文脈とビール2
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在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3Zw86nt CRAFT DRINKSでは主に人とお酒の関わりを研究していて、背後にある思想や文化、形式などに注目して書いてきました。それ自体は特に問題ないと思うし、一定の意義があると考える一方で、お話が若干抽象的になりがちだとも認識しています。実体から構造を導こうとするとどうしてもそうなってしまうのだけれども、そういうものばかりだと煮詰まって肩が凝ってしまう。 息抜きとも違うのだけれども、定期的に逆のことがしたくなるのです。一つのビールに向き合い、そこに見つかる極めて個人的な感覚を書き残しておきたいという気持ちが強くなる。美味しかったビールを記録しておくのではなく、何かしらの文脈という流れにビールを添わせてみた時に一つ重要な一を示すだろうと私が考えるものを取り上げています。また、そのビールが映える場所がどこなのかを考え、文脈を流れの中からすくい上げてみたいと考えました。 「文脈とビール2」はすでに発表している4篇に加えて書き下ろしを7篇、合計11篇で構成されています。 文脈とビールを考える 1 1.日本の麹のビール Rydeen Experimental White Koji Craft 2 2.「完コピ」しきっても残ってしまうもの Firestone Walker Brewing Company Old Man Hattan 2 3.壮年 Cascade Brewing Blackberry Ale 2015 4 4.ローテンションな自分とハイテンションなビール Stone Brewing IPA 5 5.分解、再構成、ビヨンドビール サントリー ビアボール 6 6.解釈の解釈 ベアレン ザ・デイ イタリアンピルスナー 8 7.絶望するほど美しいということ Tired Hands Brewing Company Ourison 10 8.「一番好きなビールは何ですか?」 Brouwerij Girardin Gueuze Girardin 1882 Black Label 12 9.記憶と作られたノスタルジーと アサヒビール アサヒ生ビール(通称マルエフ) 14 10.あれこれ考えるのです、たとえば衝動について West Coast Brewing #Offtime 16 11.語られることでドラマは始まる ビアスタイル21 Gargery Estella 18 あとがき フルテン 20 2022年9月4日 COMTIA141にて初版発行
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【Kindleあり】飲んでいないクラフトビールについて堂々と語る方法
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在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3VsFco9 タイトルはフランスの文芸批評家・バイヤールの「読んでいない本について堂々と語る方法」をもじったものです。こちらは物事の認識について示唆を与えてくれる素敵な本です。この本を読み、読まずに語れるならばクラフトビールを飲まずに語れるのではないかと考えました。そして、コタツ記事の書き方を考案したのですが、架空のブルワリー、架空のビールについて書いたにも関わらず非常にリアリティがあって当の本人が驚いてしまいました。 勿論飲まずに語ることを推奨しているわけではありませんが、一度考えてみたいのは私たちの認識の方法、特に「確かさ」と「確からしさ」の違いです。 コロナ禍で生活様式が大きく変化し、その影響はクラフトビール にも及んでいます。この間、文化というより文明の、確かさよりも確からしさの創出が進んだように思うのです。だからこそ、疑いようのない身体性を伴ったコミュニティへの所属感、すなわち「乾杯」の意義を再評価したくなります。 乾杯に伴う「接面」、「間主観性」は2者間のみならず広くコミュニティ、もっと言えば社会全体を構成する原理になりうるのではないかと近頃考え始めています。 目次 第1章 飲んでいないクラフトビールについて堂々と語る方法 1.「読んでいない本について堂々と語る方法」 1 2.飲んだことのないビールも語れる 2 3.要素の抽出と属性タグ化 3 4.タグを翻訳し、その集合を文章化する 5 5.コタツ記事の書き方 7 6.グループを規定する語 9 7.概念と現実の差 11 第2章 コロナ禍とクラフトビール、乾杯の身体性と確かさ 1.非対面・非接触型店舗の登場 13 2.AI 14 3.確かさと確からしさ 15 4.作られた確からしさ 16 5.オンライン飲み会と転売屋の示すもの 18 6.クラフトビールにおけるDXの最適解 19 第3章 語られるべきものごと 1.型から入ることは悪いことではない 21 2.マイケル・ジャクソン再考 22 3.語られずにいること、たとえばテクネーについて 23 おわりに 25 2022年5月5日 COMITIA140にて初版発行
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【Kindleあり】文脈とビール
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在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3Q4L1Fq 「文脈とビール」はCRAFT DRINKSが2019年に開催されたComic Market97にて発表したものを加筆・修正したものです。 規制緩和に伴って1994年に地ビール解禁となり、一時大きな流行を見せました。その後2000年前後で一度大きく落ち込んだものの、アメリカでの流行を受けて2012年頃からクラフトビールという名で改めて注目を集めています。多彩な味わい、自由な表現の方法論は多くの人の心を惹き付け、海外からの輸入ビールだけでなく国内にも多くのクラフトブルワリーが生まれています。今正にクラフトビール隆盛の時代を迎えたと言っても良いでしょう。 飲んで美味しい、知って楽しいクラフトビールを図鑑的、博物学的に網羅して全体像を把握することも大事だと思いますが、もう少し別の視点で深堀りしてみても良いのではないかと考えています。 近年クラフトビールは芸術の領域に近づき、多少なりともそれを体現していると半ば確信しているところがあります。醸造家がその作品を通して人間の知覚、感覚を拡張しようとしているのならば、飲み手に対して新たな視点を提示するものでもあります。 その新しく見つかるものにはまだ名前がついていません。ぼんやりとしていて、でも確実に存在するよく分からないものです。それが何なのか、知りたいと強く思います。 その第一歩として、これまで飲んできたビールという液体を通じて感じた美や感動について、特にそれまでの私の概念を破壊し再構築することに寄与したものについて綴ってみました。そういう液体を口にするたびに知覚がアップデートされ、今私が捉えている総体というものを少しで描き出せるのではないかと考えたからです。酒飲みの戯言ではありますが、何か皆様のお役に立つことがあれば幸いです。 2019年12月28日初版発行
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