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【新刊・予約受付中】ビール片手に僕はこんな本を読んだ vol.3
¥800
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クラフトビールというものは単に麦芽発酵飲料を指すのではなく、作り手、飲み手の相互コミュニケーションであり、社会の中に生まれる現象です。その意味でクラフトビールは社会的で社交に関する飲み物だと言うことも出来るはずですから、私はクラフトビールは人文社会学の対象だと考えています。ビールは飲むものでありながら、読むものであり、記述するものでもあると思うのです。 ビールを主題とした本を読むことで分かるビールのことはたくさんあります。それには今も高い価値がありますが、ビールが物理的に何であるかを超えてその周縁との関係や受容のされ方、時代的な意義づけなどを意識して著された本は決して多くないように思います。ですから、他の主題であっても、それがビールと何らかの共通点があって読み替えることが出来るのならば、積極的に読み替えて応用してみようと私は考えています。エッセイや小説、学術書でもそれは可能です。もっと言えば、参考になるテクストとして音楽、映画、絵画など時間芸術、空間芸術にも拡張して良いはずです。取り急ぎ本書ではクラフトビールなるものを考えるにあたってこれまでに読んできた本を幾つかご紹介したいと思います。 この「ビール片手に僕はこんな本を読んだ」という企画は主催である沖個人のものとすることなく、外側に開いたものにしようと思っています。ビールを飲み、本を読み、考える。その結果生まれた言葉が誰かに届き、その誰かがビールを飲むこと、本を読むこと、そして考えることについて何かしらの良い影響をを与えるならば嬉しいです。そのループを生む為にはこの本は私個人に閉じることなく、広く寄稿を受け付けるプラットフォームとして機能させ、狭いながらも熱量ある飲み手コミュニティを媒介するものとなってくれることを願っています。 有難いことに今回2名が寄稿して下さいました。弦壱氏、クラフトビール好き太郎氏のお二方に心から感謝申し上げます。 目 次 はじめに 読むと言うこと、飲むと言うこと ※vol.2の序文を再掲 5 1.横山 勲 “過疎ビジネス” 6 2.荒木 優太(編) “在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活” 9 3.帚木 蓬生 “ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力” 11 4.沖 俊彦 “クラフトビール入門 飲みながら考えるビール業界と社会” 13 5.沖 俊彦 “クラフトビール入門 飲みながら考えるビール業界と社会” 16 2025年12月31日 C107にて初版発表
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【新刊・予約受付中】クラフトビールという記号の戯れ
¥1,500
予約商品
※予約受付のものです。発送は12月末になります。予めご了承ください。 本書はフリーペーパーとして発表した2つの短い文章をベースにして発展させたクラフトビールと言葉に関する論考です。 私は酒屋をしていることもあってクラフトビールなる文化現象に長らく付き合ってきましたが、近年クラフトビールにまつわる言葉が自由でなくなってきているように感じられます。クラフトビールらしさがどこかの誰かに決められているような、それっぽい言葉を使わないといけないような空気になっている気がしてならないのです。 こうした私のちょっとした違和感から始まり、本書ではシーン全体の言葉遣い、そしてその言葉遣いから考えられる人々の認識や態度を考察していきます。その結果としてクラフトビールなるものは現実味を無くしつつあって、AI時代にそれが加速するのではないかと予想しました。地に足のついた、正しい意味での地ビールのような形を今更取り戻すことが不可能であるとするならば、21世紀のクラフトビールはどうなっていくのか、もしくはどうしていくべきかを私なりに検討してみたのです。つまるところ、生の経験、記号化される前の感情や感覚をもっと大事にするべきではなかろうか、と考えるに至ります。それが巡り巡ってコミュニティの再建、地域性を再構築に繋がると思うのです。 大きく変化する社会環境や技術の進展などによって文化は大きく影響を受けます。その結果、残念ながら人はどんどん疎外されつつあるように感じ、何とも言えない気持ちになるのです。それにどうやって抗っていくか。どう折り合いを付けていくのか。そんなことをクラフトビールという側面から考えるのも無駄ではないように私は思うのでした。拙い者ではありますが、この論考がクラフトビールと社会を考えるきっかけになってくれたら著者として嬉しく思います。 補論として2024年末に発表した場所と人間の感覚に関する文章も付しておきます。併せてご覧くださいませ。 なお、表紙絵はアーティストのTOYOさんに描き下ろして頂きました。素敵な絵をありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。 はじめに 1 第1章 クラフトビールにまつわる言葉遣い 2 1.クラフトビールと言葉 2 2.ビアパブを支配する不思議なルール 3 3.ビアパブのメニュー 4 4.酒販店の説明 6 5.クラフトビール的コーパス 7 6.ビアスタイルの記述との類似性 8 7.言葉を通じたクラフトビール観 11 第2章 還元論、唯物論、場の消失 13 1.還元論的クラフトビール 13 2.唯物論的思考 14 3.場の消失 16 4.消費される「地域」 17 5.クラフトビールはシミュラークルとなった 19 第3章 AI時代のクラフトビール 21 1.肯定すべきか、否定すべきか 21 2.AIによるクラフトビールの誕生 23 3.ネガティブケイパビリティ 24 4.反解釈 25 5.会って話すと言うこと 26 補論 エドワード・レルフ「場所の現象学」 28 2025年12月31日 C107にて初版発行
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【新刊・在庫あり】ビール片手に僕はこんな本を読んだ vol.2
¥800
クラフトビールというものは単に麦芽発酵飲料を指すのではなく、作り手、飲み手の相互コミュニケーションであり、社会の中に生まれる現象です。その意味でクラフトビールは社会的で社交に関する飲み物だと言うことも出来るはずですから、私はクラフトビールは人文社会学の対象だと考えています。ビールは飲むものでありながら、読むものであり、記述するものでもあると思うのです。 ビールを主題とした本を読むことで分かるビールのことはたくさんあります。それには今も高い価値がありますが、ビールが物理的に何であるかを超えてその周縁との関係や受容のされ方、時代的な意義づけなどを意識して著された本は決して多くないように思います。ですから、他の主題であっても、それがビールと何らかの共通点があって読み替えることが出来るのならば、積極的に読み替えて応用してみようと私は考えています。エッセイや小説、学術書でもそれは可能です。もっと言えば、参考になるテクストとして音楽、映画、絵画など時間芸術、空間芸術にも拡張して良いはずです。取り急ぎ本書ではクラフトビールなるものを考えるにあたってこれまでに読んできた本を幾つかご紹介したいと思います。 この「ビール片手に僕はこんな本を読んだ」という企画は主催である沖個人のものとすることなく、外側に開いたものにしようと思っています。ビールを飲み、本を読み、考える。その結果生まれた言葉が誰かに届き、その誰かがビールを飲むこと、本を読むこと、そして考えることについて何かしらの良い影響をを与えるならば嬉しいです。そのループを生む為にはこの本は私個人に閉じることなく、広く寄稿を受け付けるプラットフォームとして機能させ、狭いながらも熱量ある飲み手コミュニティを媒介するものとなってくれることを願っています。 有難いことに今回3名が寄稿して下さいました。弦壱氏、クラフトビール好き太郎氏、まろう氏のお三方に心から感謝申し上げます。 目 次 はじめに 読むと言うこと、飲むと言うこと 5 1.丸山眞男 “日本の思想” 6 2.東浩紀 “一般意志2.0:ルソー、フロイト、グーグル” 8 3.Munchies “The Next Phase of Craft Beer in Japan: Al-Kee-Hol” 10 4.都留康 “お酒の経済学” 13 5.小林盾 編 “嗜好品の社会学 統計とインタビューからのアプローチ“ 18 6.三宅香帆 “「好き」を言語化する技術” 20 7.竹鶴政孝 『ウィスキーと私』 22 2025年8月17日 C106にて初版発表
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