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本書はフリーペーパーとして発表した2つの短い文章をベースにして発展させたクラフトビールと言葉に関する論考です。
私は酒屋をしていることもあってクラフトビールなる文化現象に長らく付き合ってきましたが、近年クラフトビールにまつわる言葉が自由でなくなってきているように感じられます。クラフトビールらしさがどこかの誰かに決められているような、それっぽい言葉を使わないといけないような空気になっている気がしてならないのです。
こうした私のちょっとした違和感から始まり、本書ではシーン全体の言葉遣い、そしてその言葉遣いから考えられる人々の認識や態度を考察していきます。その結果としてクラフトビールなるものは現実味を無くしつつあって、AI時代にそれが加速するのではないかと予想しました。地に足のついた、正しい意味での地ビールのような形を今更取り戻すことが不可能であるとするならば、21世紀のクラフトビールはどうなっていくのか、もしくはどうしていくべきかを私なりに検討してみたのです。つまるところ、生の経験、記号化される前の感情や感覚をもっと大事にするべきではなかろうか、と考えるに至ります。それが巡り巡ってコミュニティの再建、地域性を再構築に繋がると思うのです。
大きく変化する社会環境や技術の進展などによって文化は大きく影響を受けます。その結果、残念ながら人はどんどん疎外されつつあるように感じ、何とも言えない気持ちになるのです。それにどうやって抗っていくか。どう折り合いを付けていくのか。そんなことをクラフトビールという側面から考えるのも無駄ではないように私は思うのでした。拙い者ではありますが、この論考がクラフトビールと社会を考えるきっかけになってくれたら著者として嬉しく思います。
補論として2024年末に発表した場所と人間の感覚に関する文章も付しておきます。併せてご覧くださいませ。
なお、表紙絵はアーティストのTOYOさんに描き下ろして頂きました。素敵な絵をありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。
はじめに 1
第1章 クラフトビールにまつわる言葉遣い 2
1.クラフトビールと言葉 2
2.ビアパブを支配する不思議なルール 3
3.ビアパブのメニュー 4
4.酒販店の説明 6
5.クラフトビール的コーパス 7
6.ビアスタイルの記述との類似性 8
7.言葉を通じたクラフトビール観 11
第2章 還元論、唯物論、場の消失 13
1.還元論的クラフトビール 13
2.唯物論的思考 14
3.場の消失 16
4.消費される「地域」 17
5.クラフトビールはシミュラークルとなった 19
第3章 AI時代のクラフトビール 21
1.肯定すべきか、否定すべきか 21
2.AIによるクラフトビールの誕生 23
3.ネガティブケイパビリティ 24
4.反解釈 25
5.会って話すと言うこと 26
補論 エドワード・レルフ「場所の現象学」 28
2025年12月31日 C107にて初版発行
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